しらす、自棄になる
「暇だなあ…」
しらすがケージに登っています。
寝床の上で仰向けに転がり、みすたんの動向を探っています。
幸か不幸か、みすたんはしらすに気付いていません。
当然、視線にも気付かず、遊んでもらえません。
「つまんないなあ」
しらすは退屈そうに、みすたんを眺めます。
「この上に、アレがある筈なんだけどな…」
(「名探偵、しらす」参照)
すっかりアルミホイルボールの位置を理解しているしらす。
チョイチョイしてみるものの、届きません。
みすたんが構ってくれない限り、ボールでは遊べなさそうです。
「いいもん。これがあるもん」
かぷ。
寝床のカバーをくわえたしらす。
どうするつもりでしょうか。
「にょわああー!」
カバーをくわえたまま、暴れ始めるしらす。
引っ張ったり、猫パンチに後足キックも忘れません。
大興奮のしらすに、みすたんもさすがに気が付きます。
「何してるんだ?」
「みすたんが遊んでくれないから、自棄になってるんだよ」
「そうか、遊んで欲しいのか」
立ちあがり、アルミホイルボールを取り出すみすたん。
カバーの攻撃の手を止め、キラキラした眼差しでボールを見るしらす。
五分後、床に転がるしらすは大変満足そうでした。
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