しらす、狩りを失敗する

夜です。
しらすが窓の外を見ています。

窓が開いているので、網戸の向こうの音が気になるしらす。
網戸に顔をグイグイ押しつけて、真剣に外を見ています。
あんまりグイグイ押しているので、網戸を外しはしないか心配です。

「ニャ…」

どうやら何かを発見したようです。
臨戦態勢の左足をあげたまま、じっとタイミングを計っています。

既に網戸ギリギリなのですが、どうするつもりでしょう？

「ニャニャニャ！」

体を伸ばして何かに飛びつこうとしたしらす。
網戸に阻まれ、顔面をぶつけたような気がします。
…気のせいでしょうか？

しばらく立ちあがって(？)網戸にへばりついていたしらす。
しかし、獲物は戻ってこなかったようです。

「あーあ…
　せっかく捕まえられると思ったのに…」

傷心のしらす。
大好きなボールを見ても、いまいち遊ぶ気になれません。

頑張れ、しらす。
でも、虫を捕まえて持ってくるのは勘弁して下さいね。