賢いんです
みすたんちに来て、1年を過ぎたしらす。
今日はワクチン接種の日です。
みすたんと私が支度をし始めると、何かを察してソワソワするしらす。
近くを通り過ぎると、慌ててダッシュで逃げます。
きっと、捕まったらお留守番なのだと思っているのでしょう。
「走り回ってるけど…ちゅんこが捕まえてくれる?」
しらすの興奮ぶりに、みすたんが呟きます。
「捕まえる必要はないよ。キャリーを置けば入るから」
「うそー?」
みすたんは実際にキャリーに入るしらすを、殆ど見た事がなかったようです。
「しら、お出掛けだよ。一緒に行く?」
そう言ってキャリーを部屋の中央に出し、入り口を開けます。
「ニャー」
とことこと歩いてきたしらすは、そのままキャリーに入りました。
先程までダッシュで部屋中駆け回っていた猫とは思えぬ、おとなしさです。
「しらす、分かるんだよね。賢いもんね」
「ニャー」
「賢くないよ、おバカだよ。トイレの後、何もない所を掘ってるじゃない」
ツンデレの猫バカであるみすたんは、素直にしらすの功績を認めません。
キャリーを置くと、自分から入るしらす。
(「しらす、インしてみる」「再びシンしてみる」「キャリーが大好きです」参照)
どれだけ一緒にお出かけしたいのでしょう?
案外、車の中やドライブが好きなのかもしれません。
勿論、車内ではリードで自由にしないと文句を言いますが…
動物病院での注射も、刺された瞬間にピクッとするだけ。
獣医さんにも「偉いね」と褒められるしらす。
なでなでされる姿は、心なしか誇らしげでした。
「僕、賢いオトナのにゃんこだもん♪」
偉いぞ、しらす。
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