しらす、サービスする
本棚に登り、何かを見ているしらす。
ハンターの眼差しの先には、みすたんとアルミホイルボールがあります。
今にも飛び出しそうなくらい体を乗り出し、やる気満々です。
「来た!」
みすたんの投げたボールがしらすの方に飛んできました。
優れた猫の動体視力は、ボールを見逃すことなく狙う事ができます。
「えいっ!」
見事なチョイチョイで、ボールを床にたたき落とします。
どんな速度のボールでも、目で追えるしらす。
しかし、ゆっくり放り投げたボールが自分の真上にくると様子が変です。
しっかりとボールの軌道を見定めたうえで、額にゴツンとぶつかるのです。
決して、ヘディングしたかったのではりません。
それはボールがぶつかって、びっくりしている様子から察する事ができます。
その上、完璧に動きが見えていたボールを、不慮のヘディングにより見失う羽目になります。
あたふたと周囲を見回すしらす…
…凄いのか、おバカさんなのか、よく分かりません。
「おバカじゃないもん。あの…あれだもん。
みすたんとちゅんこにサービスしてあげてるんだもん」
そうなんですか?
「ときめくでしょ?」
確かに。
ヘディングからボールを見失って慌てる姿まで、猫バカにはたまらないひと時です。
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