揺れるアイツと、飛ぶしらす
しらすが窓の傍で上を見ています。
カーテンに映った紐の影が、気になって仕方ないのです。
(「揺れるアイツとの遭遇」参照)
「気になるなあ」
窓辺から離れず、揺れる影から目を離しません。
すっかり夢中です。
「…届かないかなあ」
視線はそのままに、お尻をふりふりするしらす。
次の瞬間。
「えいっ!」
影に向かってジャンプしました。
カーテンをひっかけながらも、驚異のジャンプ力で影の高さに到達しています。
さすが、猫。
「届いたと思ったのに…」
高さは十分でしたが、カーテンに映る影は捕らえられず。
それが、しらすには納得できません。
そこに見えているのだから、捕まえられる筈なのです。
「きっと、高さが足りないんだ!」
「えいえいっ!」
「とりゃあっ!」
怒涛の連続ジャンプです。
ジャンプ時にチョイチョイしているらしく、「ゴン」というガラスを叩く音まで聞こえます。
それでも手(足)が届かない、魅惑の影。
「おかしいなあ…」
ジャンプし疲れて、休憩中のしらす。
いつか届くといいですね。
Copyright (c) misutan. All Rights Reserved.