揺れるアイツとの遭遇
しらすが窓の傍に座っています。
日光浴をするのなら、カーテンの向こう側に行くしらす。
どうしたのでしょうか。
立ちあがったものの、何かを気にしています。
後ろ髪を引かれるかのように、なかなか立ち去りません。
キャットタワーに乗っても、窓を見るしらす。
ニャ、ニャ、と何かに話しかけています。
虫でもいるのでしょうか?
犯人はこれでした。
シャッターを下ろす為の紐(?)と、その先に付いている丸い磁石です。
この磁石が風に揺られる姿に、しらすは夢中だったみたいです。
人間からすれば、ただのカーテンに映った影です。
しかし、しらすにとっては未知の物体。
それも、魅惑の揺れ方をしているのです。
気になるのは仕方ありません。
「何かいるよ!揺れてるよ!」
興味津々のしらすは、ニャニャニャと鳴いては私の方を見ます。
謎の物体の存在を報告したいのか、一緒に戦おうと誘っているのか…
「ちゅんこが気付いてくれないなら、僕が見張るしかない!」
正直、揺れる影よりも、それに夢中なしらすの方が気になります。
影から片時も目を離さないしらす。
この情熱が、後に事件を起こすのでした。
Copyright (c) misutan. All Rights Reserved.