しらす、揺れる


ある日の夜、地震が来ました。
ぐらぐらと揺れる地面と家具。
しらすは生まれて初めての事に驚きます。
キョロキョロと周りを見回します。

「ちゅんこ、しらすが驚いてるから撫でてあげて」
「すぐは無理だって」
「俺も無理だって」

みすたんと私は白玉粉を練って丸めていたのです。
2人とも手は粉まみれ。
急いで手を洗うと、挙動不審のしらすを抱っこします。
揺れ具合は体感で震度3〜4といったところ。
ガタガタと揺れる3階建てケージ。
転倒防止の突っ張り棒を付けておいて良かったと、心から思います。
テレビで震度を確認すると、どうやら震度3。
しらすは、大人しく抱っこされています。
手の平に頭を擦りつけ、「撫でて」と催促。
その後はいつも通り遊んでいました。

折り紙のボールとしらす

最新のおもちゃ。
みすたんの車友達の子供達が作ってくれた、折り紙製です。
私のバッグからいつの間にか見つけて遊んでいました。
目聡いなあ。


数日後のある早朝。
目覚ましでもメールでも電話でもない、けたたましいアラーム音が寝室に響きます。
びっくりして飛び起きると、数秒後にぐらぐらと揺れが来ました。
地震です。
アラーム音は携帯電話の緊急地震速報だったようです。
「また震度3くらいかな?」と思っていると、更に強く揺れ出します。
「しら、大丈夫かな」
揺れが治まってから、2人で1階のリビングに向かいます。

前回の揺れと違い、今回は暗いリビングにしらすだけ。
ケージの3階で寝ていれば、揺れはもっと強く感じた事でしょう。
相当怯えているだろうな、と思いながらリビングの扉を開け、電気を点けます。

「…ニャー」
半分以上目を閉じて、寝ているしらすがそこにいました。
何故部屋が明るくなったのか、事態が飲み込めていないようでした。
次第に目が覚めたのか、「みすたんとちゅんこがいる」と気付いたしらすはニャーニャーと鳴きだします。
「…しら、寝てたみたいだね」
「そうだね」
寝室に帰る私達を寝ぼけまなこで見送るしらす。
「どうしたの?もう朝なの?」と言いたそうです。
多分、ケージは震度4〜5の揺れがあったはずなのですが。
肝の据わった猫です。
被害がなかったのが幸いでした。

寝ぼけたしらすも、可愛かったです。


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