稲刈り(いねかり)
穂が出てから40〜50日程で稲穂が垂れ下がり、田んぼが黄金色に染まります。
ここで、稲刈りが行われます。
刈るのが早すぎると米が充実する前なので、収穫量が少なくなります。
遅くなると収穫量は増えますが、籾(もみ)が熟れ過ぎて米の色つやが悪くなります。
タイミングが重要なのです。
また、田植えと違って、雨の日には基本的に行いません。
米は収穫後に乾燥させるからです。
当日に晴れていても、前日まで雨の場合も見送ることが多いです。
朝早くも夜露に濡れているので、刈りません。
日が昇って乾いた頃に、刈り始めるのです。
稲刈りは6〜10月頃に行います。
宮城では大体9月〜10月に行われます。
この時期は台風が来る事があるので、せっかくの稲が風雨に倒されるなんて事も起こります。
自然には、勝てません。
稲刈りはコンバインと呼ばれる稲刈り機で行われるのが殆どです。
「コンバイン」というのは、「機能の結合」を意味するそうです。
この機械の役割は、稲を刈り取るだけではありません。
刈り取った稲の穂の部分から、籾とその他に分けるのです。
いらない藁の部分は細かくカットして、機械の後ろから出てきます。
掃除機の排気みたいな感じです。
この藁入り排気のチクチク具合は半端じゃないので、見学の際には首元を覆っておく事をお勧めします。
「首にタオル」の農家スタイルは、日焼けとチクチクから守ってくれる優れものです。
バラバラにされた籾は、袋に溜められます。
この袋ごと、籾を運びます。
こちらは、コンバインに溜めた籾を直接トラックに乗せます。
最近は、こちらのタイプが多いそうです。
コンバインは田植え機のように、稲を何列一気に刈れるかで「○条刈り」と呼ばれます。
調べてみたところ、2〜6条刈りまでありました。
ちなみに、実家は確か3条刈りです。
コンバインにも、田植え機のように「乗用型」と「歩行型」があります。
しかし、こちらは圧倒的に乗用型が多いと思います。
さて、ナンバープレートのついた乗用コンバインは、公道を走れます。 (「田起こし」参照)
ただ、その速度は目を見張る遅さです。
自走しない場合は、トレーラーに載せてトラクターで引っ張ります。
コンバインの自走よりはまだいいのですが、どちらにしろ遅いです。
田植えや稲刈りのようなイベント時には、田舎の道は渋滞だらけです。
コンバインも田植え機のように、四隅は刈れないので手刈りします。
刈った稲は、コンバインに食べさせて(?)籾にします。
昔は全て手刈りした後、稲架と呼ばれる木を組んだものに掛けます。
これを「はせがけ」と呼んでいるのですが、稲架を「はさ」というらしく、「はせがけ」が方言なのかよく分かりません。
宮城では「はせがけ」です。
これは、米の水分を乾燥させる為です。
今では刈り取った籾は籾すり(籾殻を取り除くこと)をして、乾燥機に入れて乾燥させます。
稲架の形はその地方で様々なので、比べてみるのも面白いと思います。
苗から育てた稲が、おいしいお米になりました。
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