田起こし(たおこし)


「田起こし」とは、春や秋に田んぼを掘り返す事です。
大抵はトラクターで行います。
トラクターというのは牽引車の事ですが、農業用トラクターという意味で呼ばれる方が多いと思います。
田舎人にはお馴染みですが、ピンとこない人もいるかもしれません。

トラクター

これがトラクターです。
天井付きの立派なものですね。

トラクター

これは開放感のあるオープンカー・タイプ(そう呼ぶのかは分かりません)です。
実家は、こちらです。
後ろに付いている鍬(くわ)のようなもので、地面を掘り起こします。

同じような作業をする物に「耕耘機・こううんき」と「管理機・かんりき」があります。
耕耘機は田んぼや畑を耕す農業機械で、各種作業機の連結を前提とした物は管理機と呼ばれるそうです。
大雑把にイメージすると、大きさがトラクター>耕耘機>管理機という感じです。

トラクターは牽引車の名の通り、あれこれ引っ張って農道を走っています。
公道を走っているのですから、やはり免許が必要なのでしょうか。
確認したところ、農耕作業用自動車に関しては、いくら大きくても小型特殊自動車となるようです。
第1種中型自動車免許には、小型特殊自動車免許と原動機付き自転車免許が含まれます。
つまり、普通に自動車免許を持っていれば大丈夫みたいです。
ちなみに小型特殊は16歳で取れるので、早くトラクターを運転したい人は16歳で免許を取れる事になります。

公道で免許が必要となると、今度は税金が気になります。
実家に確認したところ、トラクターとコンバイン(稲刈りの機械)はナンバープレートもあるし、税金も払っているそうです。
普通車よりずっと安いのですが、農家も大変ですね。

このトラクターですが、農耕用小型特殊自動車は最高速度が35kmと決まっています。
田んぼ周辺の道は、それほど広くない事が多いです。
という事で、田植えや稲刈りなどの時期にはトラクター渋滞やコンバイン渋滞が起こります。
特に、コンバイン渋滞は深刻な遅さで進みます。
田舎の風物詩です。
これに嵌まったら、諦めて下さい。
トラクターが点々と落としていく泥の大きな塊を、甘んじて踏み続けて下さい。
ウェットな塊は滑るし汚れます。
ドライな塊は、もはや石のようなものです。
これも田舎の醍醐味と思って、頑張って踏んで下さい。
国によっては、「農業用トラクター禁止」の道路標識もあるようです。

さて、田起こしですが、春と秋に行われます。
春は、土に空気を入れて、稲の生育を助ける微生物の活動を活発にさせる事が目的です。
秋は刈り取り後に行い、藁(ワラ)の分解を促します。
掘り起こして寒気に晒すことで雑草の根も多少殺せますし、土の中に空気を入れる事ができます。

田んぼの土が、ふわふわになりました。


お米の話目次に戻る

Copyright (c) misutan. All Rights Reserved.


inserted by FC2 system